気になるバイクをピックアップ!vol.20【2/2】
みなさんこんにちは。カイザーベルクびわ湖の脇阪です。
趣向を変えてお送りする「気になるバイクをピックアップ!vol.20」カワサキ250A1特集の後編は、エンジンやメーターなどの細部に焦点を当てていこうと思います。
ちなみにカイザーベルクびわ湖で展示している250A1は1969年式の物です。
まずはメーター周りです。
前回触れたとおり、丸みを帯びたタンクや前後の鉄フェンダーなどは今でも同じカワサキのエストレヤなどが採用していたりするのでさほど目新しくは映りませんが、この長円形メーターは今となっては稀で、かえって斬新に見えます。
「スーパースポーツ」を謳っているだけあって、昔のバイクでもちゃんとアナログのタコメーターとスピードメーターが内蔵、スピードメーターは200km/hまで打たれており、このマシンの性能を窺わせます。
ウインカーのインジケーターは装備されておりませんが、前後方向から点灯を確認できるウインカーを装備しているので、特に困ることはなさそうです。
なお、トリップメーターに関しては装備されておりません。
フレームのネック部分、ステアリングのトップブリッジのセンターに据えられている黒い大きなノブは、今で言うところのステアリングダンパーみたいなもので、これを締めこむとハンドルの操舵性が重くなり、逆に緩めると軽くなります。
この時代のスポーツバイクにはよく取り付けられていました。
次にヘッドライト周りです。
この車両に関しては、ヘッドライトはいわゆるシールドビーム(ライトユニット自体がひとつの大きな電球になっている構造)ではなく、現代のバイクと同じく普通にハロゲンバルブが装備されています。
ここから見ると、メーターが今のバイクのようにトップブリッジに取り付けられているのではなく、ヘッドライトケースに取り付けられているということがよくわかります。
また、この車両のおもしろいところは、フロントフォークの外側に衝撃吸収用のスプリングが取り付けられていることです。(実際にはスプリングむき出しではなく、今でもレトロスタイルバイクでおなじみのフォークブーツが履かされていたようです。)
続いてはエンジンです。
形状としては、排気量247ccの空冷2ストローク並列2気筒となります。
なお、最高出力は31ps/8000rpm、最大トルクは2.92kg-m/7500rpmです。
また、吸気には当時、2ストスポーツエンジンの主流だったロータリーディスクバルブを採用しています。
このエンジンあっての250A1ともいえるものであり、このマシンの要ともいえるものです。
余談ですがこのカワサキ250A1にはいくつかの派生モデルが存在し、最近でもひそかに脚光を浴びている「スクランブラ―」スタイルのA1SS、ヘッドライトやメーターなどの形状を変更したA1S、そしてレース専用モデルのA1Rといったものがあります。
最後に、こちらの写真をご覧ください。
こちらは250A1のタンクを左側から撮った写真ですが、このタンクのマークに見覚えはないでしょうか。
そうです!
最近ではカワサキがグループの技術を結集して作ったスーパーチャージャー付きエンジン搭載のスーパーマシン「ニンジャH2」にもつけられていた通称「リバーマーク」です。
現在はカワサキが威信をかけて作りだしたマシンにのみ取り付けられているマークであり、この時代から存在した伝統あるものなのです。
さて、いつもとは趣を変えてお送りした「気になるバイクをピックアップvol.20」カワサキ250A1編はいかがでしたでしょうか。
今となっては作ることさえできない2スト250のマシンですが、今あらためて見てみるとこの当時のマシンは今のバイクのようにハイテクや電子制御を装備していない代わりに、機構的、すなわちアナログ的な物で性能を高めようとしていたことがよくわかります。
これが「時代」というものといえばそうなのかもしれませんが、逆に今のバイクには無い「温故知新」的な趣があるものだと思います。
わたしも可能ならば一度この250A1を所有して走らせてみたいものです。
それでは以上でございます。
どうもお付き合いありがとうございました。