気になるバイクをピックアップ!vol.21【1/2】
みなさんこんにちは。カイザーベルクびわ湖の脇阪です。
最新モデルからヒストリカル旧車まで様々なバイクを取り上げて紹介する人気コーナー「気になるバイクをピックアップ!」のシリーズですが、今回も前回と同じく、カイザーベルクびわ湖のエントランスにて展示されている3台のバイクのうちの1つにスポットを当ててご紹介しようと思います。
どうぞお付き合い下さい。
今回スポットを当てるのは、カイザーベルクびわ湖のエントランスに入って向かって右側にて展示されているヤマハのビッグマシン「TX750」です。
そう、知る人ぞ知るヤマハ初の「ナナハン」です。
ヤマハは1970年代初め頃には初の4ストスポーツバイク「650XS-1」でヒットを飛ばしていましたが、先発のホンダCB750フォアやさらに後発のカワサキ900スーパーフォア(いわゆる「Z1」)、それからスズキのGT750に性能や排気量などのイメージ面で後れを取っていました。
そこで、それらのライバルに追随するべく1972年に世に放ったのがこのTX750です。
エンジンは同じ空冷4ストパラレルツイン(並列2気筒)でありながらXS-1の物を改良したのではなく、新たにTX750のために作りだしたもので、振動を抑えるバランサーまで装備されていたのが特徴です。
ただ、各メーカーのライバルたちのようにマルチシリンダーエンジンだったりDOHCヘッドだったりとハイメカニズムな物ではなく、どちらかというとこの時代でも古典的な設計で、おとなしい乗り味だったため、やはりライバルたちが築いた牙城を崩すまでには至りませんでした。
それでも、バイクに過激な物を求めず、余裕の走りを楽しみたいというベテランライダーからの支持は得られ、その後改良を重ねて生産が続けられました。
今回紹介するのはそんなヤマハTX750、第1回は外観に焦点を当てていこうと思います。
ちなみにカイザーベルクびわ湖に展示してある車両は1973年式の物です。
では最初はフロントからです。
やっぱりパラレルツインはいつの時代でもとてもスリムですね。
しかし、以前紹介差し上げた「カワサキ250A1」に比べてハンドルがだいぶナローに見えます。今のネイキッドバイクともさほど変わりが無いですね。
続いて右サイドです。
横から見ると、さすがにこの時代の750バイク相応の風格と迫力があります。
現に並列2気筒エンジン搭載のバイクではありますが、その車格は往年の名車CB750フォアにも負けないものがあったと言います。
余談ですがこれの前任ともいうべきXS-1のサイドビューは、フロントドラムブレーキ時代のヤマハSR400にそっくりなデザインでしたが、このTX750に関してはそのデザインと別れを告げ、どちらかというとCB750フォアに近いデザインになっているといえます。
この時代の大型バイクのトレンドだったのでしょう。
続きましてリア周りです。
もちろん、レトロバイクの必須アイテム、前後鉄フェンダーです。
リアブレーキはもちろんドラムです。
ディスクブレーキに関して当時はまだ高価だったので、この様に前輪のみ、というものが多かったです。
一般的なバイクに、前後共にディスクブレーキが採用されるのは、1970年代後半に入ってからのことです。
さて、今回はヤマハTX750の主に外観部分に焦点を当てていきました。
次回は例によってメーターやエンジンを取り上げる「機構編」に参ろうと思います。どうぞお楽しみに!