気になるバイクをピックアップ!vol.25【2/2】
みなさんこんにちは。カイザーベルクびわ湖の脇阪です。
それでは「気になるバイクをピックアップ!」第25回となるホンダCBR250RR篇の、後篇に参ります。
ご存じの通りCBR250RRは既存のCBR250Rとは別にホンダが送り込んだ250クラスのフルカウルスポーツバイクです。
今回はエンジンや装備面のメカニズムに注目する「機構篇」をお送りします。
まずはエンジンからです。
形状は水冷並列2気筒DOHC4バルブで、最高出力は38ps/12500rpm、最大トルクは2.3kg-m/11000rpmとなっております。
特に最高出力38psというのは、他の同クラスのライバルを凌駕する数値となっております。
このエンジンはCBR250RRの開発と同時に製作されたもので、CBR250RR専用のエンジンとなっています。
180°クランクシャフトと1軸バランサーを備え、14000rpmの許容回転数まで軽々と吹け上がります。
しかしこれだけの高出力を実現しておきながら、使用するガソリンはハイオクではなくレギュラーで済んでいるというのも特長です。
次にメーターです。
メーターはセグメント表示のオール液晶タイプです。
スピード・タコメーター・オド・ツイントリップの他、燃費計や時計も備えております。
それ以外にも、ライディングモードやギアポジション、そしてサーキットで役立つラップタイマーも表示することができます。
ちなみにタコメーター表示部分の外周にも水温計と燃料系、そして5段階表示のシフトタイミングインジケーターを備えております。
これらの装備は、まさにCBR250RRのキャラクターを表していると言えるでしょう。
左ハンドルのスイッチボックスです。
こちらには一般的なヘッドライトのハイ/ロー切替スイッチ・ウインカー・ホーンのスイッチがある他、前述のラップタイマーを操作するためのボタンも設けられております。
続いて右ハンドルのスイッチボックスです。
キルスイッチ併用型セルスタータースイッチが見えますが、その隣のスロットル部分根元に文字が書かれているのが見えますか?
「THROTTLE-BY-WIRE」と書かれたこれは「電子制御スロットル」を意味しており、このCBR250RRは電子制御スロットルでエンジンが操作されていることを表しております。
通常のスロットル(アクセル)制御は、スロットルグリップから伸びたワイヤーでエンジンのスロットル部分を直接開け閉めすることで行われていますが、電子制御スロットルは、アクセルを開けた量を一度電気信号に置き換え、エンジンを制御するコンピューターに送られた後、コンピューターがエンジンの状態や状況を判断して適切な開度でエンジンのスロットル部分を開けていくというものです。
これによりスロットルワイヤーの弛みや伸びによるレスポンスの低下が避けられるだけでなく、走行状況に応じた適切なアクセルワークができるようになります。
また、この電子制御スロットルのもう1つの大きな特徴は、「ライディングモードの切替」を可能にするということです。
上記のように、スロットルの操作を一度電気信号に変えてコンピューターに送るという動作を行ないますので、このコンピューターで全く異なるエンジン特性を持たせることができるようになります。
この機能を利用してできあがったのがこの「ライディングモード切替」であり、CBR250RRはこの機能を初めて搭載した250クラスのバイクでもあります。
CBR250RRには汎用性とスポーツ性を両立させた「Sport」、スロットル動作に対して敏感に反応するビシバシレスポンスの「Sport+」、そして雨天時や街中用にスロットルの反応を穏やかにした「Comfort」の3つのモードが設定されており、いずれも異なったキャラクターを持っております。
走行状況や気分によって有効に切り替えて、このバイクを楽しみたいものです。
最後に、左後方からのアングルです。
車体面に関してですが、フレームは製作に手間はかかるけど軽量で適度な剛性を持たせることができる鋼管製のトラス形状ツインスパーフレームを採用しております。
またスイングアームは軽量なアルミ製で、マフラー側は取り回しのために若干「へ」の字型に変形している、いわゆるガルアームとなっています。
いずれの部品も、全てこのCBR250RRのために製作されたものです。
さて、今回の「気になるバイクをピックアップ!」第25回のホンダCBR250RR篇はここまでです。
かつて1980年代終わりごろ、同じくホンダから「CBR250RR(MC22型)」というバイクが出ておりました。
あちらは当時の自主規制値いっぱいの45psを発揮させ、250の2ストレーサーレプリカに真っ向から対抗する高性能4ストレーサーレプリカとして人気を博し、現在でも人気がある車両です。
そんな先代と同じく、このCBR250RRも時代の最先端を行く技術と装備を持ってクラス最強のスポーツ性を引っさげ、さらには日常からスポーツ走行まで幅広く対応出来る懐の広さも備えたスーパー250バイクとなりました。
確かに同クラスのライバルより高価ですが、それを補って余りあるこのバイクのパフォーマンスを、ぜひ堪能してみてください。
それではこれにて終了です。
次回もどうぞお楽しみに。