気になるバイクをピックアップ!番外編 ~鈴鹿市役所~
こんにちは。カイザーベルクびわ湖 支配人の岸です。
梅雨が明け、一気に灼熱地獄の暑さになった6/30の定休日に珍しいバイクが関西で展示されているという情報を手に入れて出かけてきました。
土山ICから新名神を使い、鈴鹿パーキングエリアのスマートETC出口から向かったのはこちら!
この青空のもとにそそり立つ立派な建物は「鈴鹿市役所」
なぜここに来たかというと、栃木県のHondaコレクションホールで保管されていた鈴鹿製作所で生産されたスーパーカブC100完成車第1号機が鈴鹿市制80周年と鈴鹿サーキット開場60周年を記念して里帰りして特別展示されているからです。
これを逃したらもうしばらくお目にかかれないであろうスーパーカブC100完成車第1号機、現カブ乗りとしては見逃せないですよね。
ということでカメラ機材を大量に抱えて鈴鹿市役所に突入!
中に入ると早速特別展示コーナーを発見しました。
まず第一声で思わず口からこぼれたのは「ピカピカの新品やん」
そりゃそうです。
未使用新車でHondaコレクションホールで大事に保管されていた訳ですからね(笑)
私もバイク屋さんですからC100は何度もお目にかかった事がありますが、年式相応のヤレやサビ、そしてオリジナルでないものしか見たことがありませんでした。
このC100は日本の産業歴史遺産といっても良いくらい貴重なものなのですが、平日の昼間に市役所に用事に来ておられる一般の方たちは全くご興味がない様子...
しかしバイク好きな私が特別展示に張り付いてバシバシとカメラのシャッターを切っていたら、鈴鹿市役所職員の方が電源が落とされていた液晶モニターに電源を入れて1962年に作成されたという本田技研工業の会社案内映像「This is HONDA」を流してくださいました。
これが当時の鈴鹿製作所でスーパーカブを始めとするバイクの開発・製造工程から出荷されるまでを見せてくれるのですが、高度経済成長期のノスタルジックな雰囲気や出荷されるシーンが迫力満点でむちゃくちゃ面白くて取材そっちのけでガッツリ最後まで観てしまいました。
鈴鹿市役所職員のお兄さんありがとうございました!
※このあと皆さまにもぜひ見て頂きたくYoutubeで動画を探し見つけましたので、ぜひこの記事と合わせて観られると面白いのでオススメです
⇒【https://www.youtube.com/watch?v=4YqG1Z7SbZ0】
さてC100という名前を聞くと100cc?なんて思うかもしれませんが、こちらは50ccのカブ。
1956年にホンダの創業者 本田宗一郎と専務 藤澤武夫が行なった欧州視察から、我が国の実情に合う小型バイクとはどんなものが良いかと考えられて作られた50ccモペットが「初代スーパーカブ C100」
【スペック】
エンジン:空冷4ストローク単気筒OHV 49cc
最高出力:4.5ps / 9,500rpm
最大トルク:0.33kgm / 8,000rpm
寸法:全長 1780mm・全幅 575mm・全高 945mm
ホイールベース 1180mm・最低地上高 140mm
ミッション:自動遠心クラッチ付3段変速
燃料容量:3.0L
オイル容量:0.6L
重量:65kg
最高属度:70km/h
発売当時価格:55,000円(1958年)
当時の二輪車のほとんどが2ストロークエンジンを搭載する中、耐久性や低燃費、扱いやすさなどから4ストロークエンジンを採用してスーパーカブは世界中で大人気のバイクになり、2017年には世界総生産台数1億台という前人未到の記録を達成!
今回ご紹介する初代スーパーカブC100は当時 鈴鹿製作所で月産3万台以上売れる大ヒット商品になり国内ではC50系OHC登場の1966年まで、北米では1970年まで販売されました。
※1991年まで鈴鹿製作所では約1,500万台生産、その後は熊本製作所に生産移管されました
外観は初代スーパーカブC100と現在のスーパーカブを比べても「S字基調シルエット」も変わらず同じです。(ちなみに現在発売されているC125はこちらのオマージュ)
しかし現在の私達が知っているカブよりひと回り小ぶり。
そして今では鉄カブと言われる鋼板プレス+パイプフレーム(2009年よりパイプフレーム)で目に付くと言えばその形から「鷲鼻テール」と呼ばれるテールランプぐらいでしょうか?
ちなみにこの鷲鼻テールは尾灯でブレーキ灯の機能が無いんですよ。
こちらが正面。
全体的に細めで現行スーパーカブと大きく違うといえばヘッドランプの位置と右側ミラーが1本しかないことぐらいでしょうか。
「カブといえば丸目でしょう!」という方が多いのもこちらのデザインからかもしれませんね。
ミラーに関しては当時のバイクだと問題無く、道路運送車両の保安基準では平成18年(2008年)12月31日以前に生産されたモデルまではOKとなっています。
昔は左側ミラーはオプション扱いというと若い方はビックリするかもしれませんね。
1991年モデルからスーパーカブ50~90の全モデルが左ミラーも標準装備になりました。
こうやってハンドル周りをみても現代のカブと何も変わらないですね。
違いでいえばスピードメーターがフルスケールなのと右側ウィンカースイッチぐらいでしょうか。
現在発売されているスーパーカブは殆どの車両のウィンカーは左側スイッチになりましたが、つい最近まで販売されていたモデルは右側スイッチが主流でした。
理由は「出前の岡持ちを左手に持ったまま、右手で運転できるようにするため」で操作は縦で「下が左」で「上が右」になっています。
あとはチョークレバー操作用のホールが開いているぐらいです。
ホーンは専用の加飾されたホールの中に収められていること以外は、おなじみのネジ固定式サイドカバー・ツインショック・チェーンカバー・可倒式シートなど初代スーパーカブC100から半世紀以上にわたり生産されている現代のスーパーカブと何も変わりません。
いかに最初の設計が優秀だったのかがよくわかりますね。
9/30(金)までの特別公開ですから、鈴鹿に里帰りしている今が間近で見られる貴重な機会ですので見学に行かれてみられてはいかがでしょうか?
今回はここまで!次回もお楽しみに。
【観光情報】
場所:鈴鹿市神戸1-18-18
当施設からの距離 / 時間:
休庁日:土曜日・祝日
開庁時間:8:30~17:15・9:00~12:00(日曜日)
駐車・駐輪スペース:有り
スーパーカブC100特別展示期間:9/30(金)まで
※夏季休暇期間の開庁日はHP(https://www.city.suzuka.lg.jp/index.html )にてご確認ください