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気になるバイクをピックアップ! 番外篇

みなさんこんにちは。
カイザーベルク御宿・月の沙漠支配人の脇阪です。
今回は、「気になるバイクをピックアップ!」の番外篇をお送りします。

当方に来られたレッドバロンのお客さんの、話題の最新バイクや往年の名車などを紹介するコーナーですが、今回は少々趣を変えて「番外篇」と称してお送りします。

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というのも、今回取り上げるのは館内にある1982年式のCBX1000(SC06型)だからです。
「なんだお前のバイクじゃん」と言われればまあその通りなのですが、このバイクの細かい見た目やメカニズムは実際に皆様がお越しいただいた時にご覧いただければ大丈夫として、今回はこのバイクのオーナーとして乗っていないとわからない事やお客さんからこのバイクに関してよく頂く質問をQ&Aの形でお答えしようと思います。
お付き合いいただければ幸いです。

Q1:(並列)6気筒エンジンは振動が無いって本当ですか?
A:そんなことはありません。普通にあります。

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いちばんよく頂くご質問ですが、上記の通りです。
「直列(並列)6気筒エンジンは完全バランスエンジン」と雑誌等でよく謳われている通り、確かに振動低減用バランサーなしでスムーズな回転が成り立つ構造で、理論上はクランクシャフトの構造・コンロッドの配置の都合で前後振動・左右振動共に打ち消せることになっています。
しかし普通にピストン自体は全て同じ方向に上下運動しており、またそれを打ち消す「対」になる存在も無いため、それ由来の振動はあります。
とはいえ普通の並列4気筒エンジンより振動が少ないのは事実ではあります。
余談ですが、個人的に本当に振動が少ない6気筒というのは、GL1800に積まれている様なピストンの振動も打ち消す「水平対向6気筒」だと思っています。

Q2:(並列)6気筒エンジンは(並列)4気筒エンジンとは乗り味(フィーリング)は違いますか?
A:なんだかんだでやっぱり違います。

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実際のところ無茶苦茶大きく違う、というわけではないのですが、とりわけこのCBX1000の並列6気筒に関しては、特に2500~5000回転あたりの振動が少なくスゥーっと加速していく辺りは6気筒ならではといった感じがします。
巡行していて気持ちがいいのもこのあたりの回転数です。
ただ反面、同じくらいの4気筒エンジンに比べて1気筒あたりの排気量が少ないという事もあってか極低速域のトルクは心許ないです。
もし同じ排気量・同じくらいのパワーを持った6気筒エンジンと4気筒エンジンがあった場合、全体的な力強さは4気筒の方に軍配が上がると思います。
6気筒は上記の様な、振動が少なく滑らかに加速する力の出方が身上なのだと思います。

Q3:このマフラーはノーマル(純正)ですか?
A:違います。社外品です。

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意外とよく受けるご質問ですが、このCBX1000が付けているマフラーは「DGパフォーマンス」というアメリカのメーカーが作ったアフターパーツのステンレス製6in1フルエキゾーストです。
通称「ダンガーニ」と呼ばれるこのマフラーはCBX1000が現役だった頃から製造されているカスタムパーツで、実は現在でも新品が生産されています。
あたかも純正のようにマッチするデザインと独特のエキマニの取り回しの迫力、そして「ウォオオオオオッー!!!!」っと響く獣の雄叫びの様なエキゾーストノートが特徴で、今日でもCBX1000の社外マフラーの代名詞として通っています。
某ヤンキー漫画では「地獄のパイプオルガン」と称されていたりもします。
余談ですがこのダンガーニマフラーの特徴的な取り回しのエキマニ、実はすべて長さがバラバラのいわゆる不等長で、それ故にアイドリングから低回転時はバラバラとした排気音が鳴り、回転数を上げるにつれてそれが収束されて高回転域では私が上で評したような「獣の雄叫び」の様なエキゾーストノートが鳴るのだと考えております。
これは「6気筒の音」というより「ダンガーニの音」だと思っております。
気になる方はYouTube等の動画サイトで「CBX1000 ダンガーニ」と検索すればすぐに聞くことができます。
ちなみに純正のマフラーは6in2の左右2本出しで、音は「ビュオオオオー」といった感じでわりと大人しいです。

Q4:1000㏄の空冷6気筒エンジンなんて熱くないですか?
A:そりゃもう熱いです。

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とはいえ、普通に流れの良い道を走っている分には暑い夏だろうがたいして気にならないのが実際のところです。
困るのは特にその暑い夏において渋滞に突っ込むことです。
こればかりはまあどうしようもないのですが走行風以外に冷やすものが無い空冷エンジンで、さらに熱を発生させるシリンダーが6つもあれば想像しただけで地獄絵図が広がります(実体験済)。
エンジンが熱を持ちすぎると明らかに吹け上がりが悪くなり、エンストを誘発しさらにはノッキングが生じたりとエンジンにダメージが及びますのでそうなったら迷わず路肩やコンビニで停車して乗っている人間共々クールダウンが必要です。
ちなみに「じゃあ冬は足元が暖かいのか」と言われたら、これもそんなことはありません。
エンジン幅が広くライダーのすねあたりをカバーする様な形にはなっていますが、その恩恵はとりあえず風が少し防げるというくらいの恩恵しかなかったりします。
思っていたよりも内容が多くなりそうなので「その2」に移行します。

お楽しみに!

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